公園・緑地・樹木管理から考える、これからの東大和市の緑
東大和市議会建設環境委員会では、所管事務調査「公園、緑地及び樹木に関すること」の一環として、都立砧公園、世田谷区立岡本いこいの森緑地、都立明治公園を視察しました。今回の視察は、大規模公園の樹木管理、小規模緑地の活用、インクルーシブな公園づくり、民間活力の導入などを学び、東大和市の今後の公園・緑地行政に生かすことを目的としたものです。
砧公園は、広大な芝生広場と樹林を中心とした大規模公園で、開園面積は約39.2ヘクタール。園内にはサクラ、ケヤキ、クスノキ、シラカシなど多様な樹木があり、ファミリーパーク内には約840本の桜が植えられています。また、バードサンクチュアリでは野鳥の生息空間も守られています。
今回、特に印象に残ったのは樹木管理の難しさです。令和8年3月から4月にかけて、世田谷区の都立砧公園では倒木事故が相次いで発生し、その現場を確認しました。緊急点検により、多くの場所で立入禁止措置が取られていました。


樹木を伐採すると、景観が悪くなる、木陰がなくなる、といった声が出ます。一方で、倒木による事故の危険性を見過ごすことはできません。東大和市内でも、都立狭山公園で倒木事故があったばかりです。また、市立上仲原公園の樹木伐採でも「日陰がなくなった」との声が多くありました。
緑を守ることと、安全を守ること。この両立こそ、これからの公園管理の大きな課題だと感じました。
また、砧公園にはインクルーシブな遊び場も整備されています。一見すると普通の公園に見えますが、遊具に車椅子で近づけるスペースが確保されていたり、介助者と一緒に滑ることができる幅広い滑り台が設置されていたりと、細かな配慮がありました。年齢も「300歳まで遊べる」という表示があり、思わず驚きました(笑)。


東大和市でも、公園を単に「遊ぶ場所」としてではなく、子ども、高齢者、障がいのある方、介助者、地域の方々がともに過ごせる場所として考えていく必要があります。
岡本いこいの森緑地は、世田谷区岡本一丁目にある約1,415㎡の小規模な緑地です。令和4年度に改修され、既存の樹木を生かしながら、多様な植物を観察できる緑地として再整備されました。在来草本類の草地広場は、生き物のすみかにもなっています。
住宅街の中にある小さな公園ですが、一歩中に入ると、樹木や植物が所狭しと植えられ、人工的に整備された場所でありながら、本当に森の中にいるような気持ちになります。

井戸があり、雨が降ると普段は乾いている川に水が流れるような設計もされていました。生き物、水、緑が調和した、まさに憩いの場です。わずかなスペースであっても、工夫次第でこれほど豊かな場所になるのだと感じました。


この緑地から学べることは、小さな緑地にも大きな価値があるということです。東大和市にも、住宅地の中の小さな公園や緑地があります。そうした場所を単なる空き地的な緑ではなく、雨水対策、生物多様性、暑さ対策、環境教育、地域の憩いの場として活用していく視点が重要です。
都立明治公園は、国立競技場周辺に位置する都市型公園で、東京都初のPark-PFI事業として再整備された公園です。希望の広場、インクルーシブ広場、みち広場、そして100年後のレガシーを目指す「誇りの杜」により構成されています。防災井戸、電源、情報表示サイネージ、トイレ、照明、Wi-Fiなど、防災機能も備えています。

都心の高層マンションの前に広がる緑豊かな公園。その中にカフェがあり、公園の緑を邪魔しない形で調和していました。都心部ならではのおしゃれな空間でありながら、親子連れも多く、インクルーシブ広場もにぎわっていました。

特に参考になったのは、PFIの仕組みです。行政だけで公園を維持管理するのではなく、民間の力を活用しながら、公園の魅力を高めていく仕組みは、東大和市にとっても参考になると感じました。

もちろん、東大和市と都心部では条件が異なります。しかし、カフェや民間施設を入れること自体が目的ではなく、公園の公共性を守りながら、維持管理やにぎわい創出にどうつなげるかという視点は、大いに学ぶべき点です。
今回の視察を通じて、東大和市の公園・緑地行政において、次の視点が重要だと感じました。
第一に、樹木管理は「景観」だけでなく「安全」の問題として考える必要があります。植えて終わりではなく、点検、診断、更新、伐採、再植樹まで含めた長期的な管理計画が必要です。
第二に、小さな緑地も地域の大切な環境資産として位置づけることです。水、緑、生き物、木陰、防災、憩いの場として、多機能に活用する視点が求められます。
第三に、誰もが利用しやすい公園づくりです。インクルーシブ公園の考え方は、これからの公園整備に欠かせません。
第四に、民間活力の活用です。ただし、公園はあくまで公共空間です。民間の力を活用する場合でも、緑の質、公共性、誰もが利用できる環境を行政がしっかり担保する必要があります。
東大和市には、多摩湖、狭山丘陵、街路樹、公園、緑道など、豊かな緑の資源があります。一方で、老木化、維持管理費、人手不足、利用者ニーズの多様化といった課題もあります。
これからは、「守る緑」「使う緑」「育てる緑」を整理しながら、安全で、誰もが利用しやすく、次世代に引き継げる緑豊かなまちづくりを進めていくことが大切だと感じました。